食ったなぁ。台湾料理のつもりでいたけど、そのほとんどが香港料理だと知って、ン?
いいや。美味しかったんだし。そもそもこだわりなんて微塵もない。
歩いたなぁ。台北中を丸々5日間、ロケバスを延べ30箇所ぐらいに停めて、
ひたすら歩く、たまにダッシュ、そこらへんに腰掛けて、また歩く。
土地勘がなく極度の方向音痴の僕の脳に、少しずつ台北マップが刻み込まれていくから不思議。
あの小籠包店とあっちの小籠包店との間に、こんな公園があって、その横に茶器屋があって…
美味いものを食わせてくれる店は、ベロから辿って脳みそに地図を描いてくれた。
最終日。勝手に僕が思い込んでいる台湾の家、師範大学へ行く。
昨年、初めて訪れたときは、感激しすぎて舞い上がっていたが、今回はちょっと落ち着いて校内を散策した。
豪華メシばかり食い過ぎていたので、学食で昼ご飯を食べ、グラウンドを走る学生をただじっと見てた。
美しい光景だったよ。なんてことないけど、それが余計にきれいだった。
なにやらバザーをやってて。
「特別限定生産のプリンを作っているから注文しませんか?」
「いつ食べられるの?」
「2週間後に、ココで引き渡します」
「そりゃむりだ。僕は3時間後の飛行機で日本に帰らなきゃいけないんだ」
「残念です…」
「余談だけど、僕はこの大学のみんなのことが大好きだよ」
「どうしてですか」
「聞きたい?」
「聞きたいです」
「長くなるから2週間後に東京で話して上げる」
「ははは…」
「ちょうどいい、そのときプリン持って来て」
「ははは…は」
また行くよ。台湾。爺さんの働いてた台湾の家。